Version 3.1e,2005年10月
出典:http://www.sfz.se/より
(翻訳:御厨啓補 2009)
A. ピッチの変化 |
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1. グリッサンド奏法(伊. スライディング) |
グリッサンド奏法とは、以下のことを示す。 |
2. 微分音程 |
半音よりも狭い、すなわち100cent未満の音程のことである。 |
B. 音質の変化 |
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1. ハーモニクス |
第一オクターブのC(ド音)の倍音列: |
2. 替え指 |
替え指は音色そのものを替えてしまうだろう。また微分音運指を使い、ピッチを正しく調整して吹くことで、新しい音色を作ることもあるだろう。これらは「ビスビリャンド」、もしくは「ホロートーン」と呼ばれている。たいていは運指を伴って記譜されるが、極稀に運指が書かれていないこともある。 |
3. ビスビリャンド・トリル |
通常運指と音色の違う運指を素早く交互に変える奏法のこと。これらのトリルは大概ピッチもまた変化する。 |
4. 発声奏法 |
演奏している音と同じ音を歌うことにより、音色を変えられる。演奏音と同じオクターヴで歌うとき、その演奏効果は最もはっきりと表われる。 |
5. 「音色の開発者」による変化 |
アンブシュア、口腔、呼気の速度や圧力等を変えることにより、音色もまた変えられる。 |
C. 多声音 |
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1. 重音奏法 |
2つ以上の音を同時に鳴らす(和音を出す)ことである。 |
2. 発声奏法 |
演奏されているものとは異なるピッチを歌うことで、たとえば |
D. 発音や呼気による効果 |
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1. キー・パーカッション |
息を入れずにキーを力強く閉じることで、機械的な雑音と同様の音を作り出すことが出来る。この効果を「キー・クリック」という。 |
2. スラップ・タンギング |
スラップ・タンギングとは、(撥)弦楽器のピッツィカートに非常に近い音を鳴らすフルートの演奏技法である。肺からの気圧を少しも掛けず、舌を使って短い音を瞬間的に放つことで作られます。 |
3. タングラム |
タングラムとは、歌口を口全体で塞ぎ、その時に大きく且つとてもすばやく舌を歯にぶつける様に動かすことで鳴らされます。もっとも簡単な方法は、"HOT!"や"HT!"と言うことである。放たれた音は、運指の示す音より長七度低く響く。 |
4. フラッターツンゲ |
口腔内で舌を旗のように行き交わせることで生み出される断続的な呼気は、(擦)弦楽器のトレモロのような響きを生み出せる。フラッタータンギング中に舌を極力ゆるめておくことが重要である。 |
E. 音色開発の新しい探索法 |
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1. ホイッスル・トーン |
開いていると同時に抑制されたアンブシュアと、非常に低圧の息を用いると、ホイッスル・トーンが可能になる。フルートの低音を吹くとき息の圧力を下げていくと、たまにこの音を得られる。ホイッスル・トーンは第3オクターヴを、その独特な運指を用いて操作するのが最も容易である。 |
2. バズィング |
唇を押しつけて、金管楽器のように吹くと、演奏可能である。 |
3. 音色のない強い呼気 |
歌口全体を口で塞ぎ、フルートの音色を出さず楽器の中へ非常に強い息を直接吹き込むことで、「エオリアン音」と同様にして、より大きくより風の鳴るような音を伴った音色を得る。 |
F. 付表:カバードキー・フルートのための四分音の運指表 |
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